- 第2編
- 第1章 - 専業信託銀行グループとしての挑戦 2011~2016
スタートダッシュ実現へ――「100日プラン」の推進
三井住友信託銀行としての業務運営を早期に軌道に乗せるため、発足から100日間で遂行する重要なテーマおよび到達点を設定した「スタートダッシュの100日プラン」を策定・推進。「事業哲学」や「組織マネジメントの在り方」に基づく各種事業推進体制の構築、業務プロセス総点検や事業採算分析・把握による採算性向上策の策定など、統合後の態勢整備を早期完了のうえ、新銀行の戦略・施策の推進を加速することとした。なお、2011(平成23)年度下期にも「プレ100日プラン」として各種戦略等の理解促進に向けた取り組みを実施し、全社に十分浸透し行動として現れるレベルまで徹底して継続し、スタートダッシュにつなげた。
〈「100日プラン」の重要テーマ・到達点〉
体制整備:業務運営体制、営業推進体制、他社攻勢防衛体制、目標業績管理体制、人事運営体制等の整備完了と安定稼働確認
業務プロセス総点検:顧客向けサービスの低下につながる統合による支障・懸念事項等の有無につき総点検し、改善に向けた具体的施策を策定
事業採算向上:各事業・各店部の採算(粗利・経費構造)の分析・把握、事業採算の向上・損益分岐点引き下げに向けた具体的施策を策定
戦力活用:戦力創出ガイドラインに基づく戦力創出計画・具体的施策を策定
融合・結束向上:「ディスカッション The Trust Bank」の定期開催
進捗管理:月次での進捗状況把握および経営層あて報告
〈「プレ100日プラン」で取り組んだ基本的事項〉
事業哲学:グループ経営理念(ミッション・ビジョン・バリュー)をもとに各事業特性に応じてアレンジした「事業哲学」を各事業で策定し、事業戦略・施策の推進の際の行動基準、立ち返るべき拠り所として活用
事業戦略:各事業別に、戦略・施策を顧客属性・セグメンテーション、組織体制・チャネル、プロダクト・サービスの各要素別にマッピングした戦略マップを策定、新銀行における自事業全体像を事業内で共有・徹底
周知徹底:新銀行経営計画・各事業戦略、業績評価、目標体系、「組織マネジメントの在り方」を含む運営方針・各種用語等の周知徹底
〈三井住友信託銀行における「組織マネジメントの在り方」〉
① 情報流通の在り方:上下左右の迅速・柔軟な情報流通、健全・活発な議論と徹底した実践(やるべき事はとことんやるが、言うべき事も言う)
② 組織/本部と営業店部の在り方:現場重視、本部は営業店部と連座(営業店部の業績向上は本部の責任)
③ チームワークの在り方:プロフェッショナルなチームワーク、「明るく厳しく」
④ 人事運営・人材評価の在り方:能力、実績・付加価値、チャレンジ、スピードを重視、学ぼうとしない姿勢・教えようとしない姿勢は厳しく評価
⑤ 基本動作の在り方:基本・基礎の徹底
こうして三井住友信託銀行は、新銀行としての業務運営を早期に軌道に乗せた。
人員については、本部から戦略事業分野へのシフトを前倒しで実施したほか、拠点・店舗網の再編を進めるとともに、各種システムの統合作業についても、勘定系システム(2014年度完了)を除いて、概ね完了した。さらにグループ関係会社においても、統合による体制整備を完了し、各社の商品・サービスの機能強化とともに相互連携によるソリューション力の強化に取り組んだ。

各事業における主な事務、商品・サービス統合の概要

ステップ2におけるリテール向け商品・サービスの状況